顧客との繋がり方、という意味でこちらのスライドに話は移ります。
私からの投げかけとしては、
“IDが重要といってもcookieの代替手段という消極的なアプローチではなく、根本的に顧客とのつながり方が変化するととらえる必要がある”
というものでした。そのアプローチとしては大きく2つ。
- プラットフォーマー(他社)の経済圏で、顧客とつながる
- 自社の経済圏で、顧客とつながる
と分かれます。
その中間に位置づけられるものとしては、GAFA(GAMA?)のような巨大プラットフォーマーではなく、特定バーティカルに強い媒体社とブランドで協力して世界観を形成して繋がる、という状態もあるのではないでしょうか。いずれにせよ、どちらか1つを選択するのではなく、それぞれの経済圏においてどうしていくという戦略が必要だという考えをお伝えしました。
ここで、Originals&Co.中根さんから異論が。「正解はないので…」と前置きをした上で、「両方はない!」とのご意見。Nikeを例に、Amazonで価格をいじられるのを嫌い、一度Amazonから撤退をして現在は直販比率が40%の近い。プラットフォーマー側の要望で再びAmazonにも商品を出すようになったので今は両張りだが、小規模の直販ECを運営しているブランドだと、どちらかに絞らないとコスト的に持たない、と説明してくれました。
ECと絞った場合はその通りだと思います。コミュニケーションのタッチポイントという観点から見れば、両立はあり得そうですね。(例えばStarbucksのリワードアプリとLINEカード等)
エン・ジャパン田中さんは、この図を見ながら企業はどのように変わっていくべきかを話してくれました。「マーケティング組織のリストラ(解雇ではなく再構築という意味)が、必ず必要となる。というのも、これはデータとテクノロジーに限った話ではなくブランドの話になる。自分のブランドが足りていない領域はどこか?うまくいっているブランドから何を学ぶか?というブランドを中心とした顧客とのつながりを考える、実行するという組織になれた会社が強い。」とのことでした。
技術が多様化して専門的なスキルが必要になってしまったが故に最適化してサイロ化してしまった組織では、決して一気通貫した顧客体験の提供は難しいというわけですね。キーノートでもマクドナルドのズナイデン房子さんが、チャネル毎に個別最適が進んでしまってブランドのイメージがぶれる状態を「多重人格」と呼んでいたのが印象的でしたが、多重人格ではなく安定した人格者としてのブランドを示すためには、組織の構造改革が必要になってくる会社も多いでしょう。
ソニーマーケティング橋本さんからも今後必要となる取り組みについて整理したスライドをご説明いただきました。関係者が多いというのが大前提で、顧客からデータをお預かりしてUXをあげていくために必要な環境は下記の4つ。
- データの整備
こちらは言わずもがなで、質を重視する
- データの共通認識
複数のタッチポイントのデータを統合する場合は、管理者のバックグラウンドやスタンスが異なるのでしっかりと連携ができるようにする。もちろん目的ありきでデータ活用をするプロセスは理解できるが、データを扱う側(技術側)とマーケティング側が歩み寄るためにも、簡易的なデータカタログも必要だと結果的に分かった。(データカタログのデータを使うことが目的ではない、という意図)
- プライバシー配慮
(既に出てきている通りなので割愛)
これに対し、竹下さんから手段の目的化にならないのか?どうやって同じ方向を向くのかという問いかけがあり、橋本さんからの返答は、地道なミーティングとナレッジシェアを通じてお互いを理解していくというプロセスが必要、ということでした。ロジックというより歩み寄りの世界、という表現が印象的でした。私も、その歩み寄りのために必要なのが企業のビジョン・ありたい姿なんでしょうね、とコメントしました。
田中さんからも、下記のような大切なポイントをあげていただきました。
- ブランドのビジョンをどこにおいて、そこに到達するための体制をどうやってつくるか、というのがセット
- 顧客の不満をどうやって解消するのか?を日々自分・チームに問いかけながら積み重ねていく
- 顧客と繋がりたいのは企業の目的であって、顧客の目的は課題解決だといくことを忘れない
非常に本質的で、常に頭の片隅に置いておきたい言葉ですね。
最後のスライドはOriginals&Co.中根さんのDX戦略マップです。