こんにちは、BICP DATAの菊川です。
ついに2022年4月を迎え、改正個人情報保護法が施行されましたね。
法改正に向けて社内での対応にご尽力された方もいらっしゃれば、一生活者として非常にたくさんの企業からプライバシーポリシー(※)の改定案内を受け取った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私の元にも3月後半は滑り込みのようにたくさんの企業からプライバシーポリシーの改定の案内メールが届きました。笑
(※本ブログでは“プライバシーポリシー”“個人情報保護方針”“個人情報の取扱い規定”等、各企業が“個人情報の取扱いについて公表している文書”のことを総じて“プライバシーポリシー”と記載いたします。)
まずは各種対応にご尽力された方、本当にお疲れ様でした!
これまでは改正法への対応でしたが、プライバシー対応という意味ではこれからが本格的な取り組みのフェーズになってくるかと思います。
個人情報を含むデータ活用によって、より顧客に喜ばれる状態を創り出せるよう、これからもプライバシー対応への取り組みを推進していきたいですね!
本日はせっかくなので、このプライバシーポリシーの改定ブームに乗っかり、改めて
“プライバシーポリシー等で個人情報の取扱いについて表明する”
ということを考え直してみたいと思います。
■プライバシーポリシーはなぜ必要なのか
まず個人情報の取扱いについてなぜ公表しなくてはいけないのか、これは個人情報保護法で義務付けられているためです。個人情報保護法では取得した個人情報の利用目的の明示が義務付けられています。
ただし、その手法として“プライバシーポリシーを作成すること”自体が法律で義務付けられているわけではありません。本人に都度通知する手法を用いることでも可能です。
ですが、利用目的以外にも個人情報保護法では個人情報の取扱いについて公表しなくてはいけない事項があるため、プライバシーポリシーを作成しておくことでその義務を果たすことができますし、もちろん、プライバシーポリシーとして表明を出しておくことで自社への信頼感を持ってもらえるチャンスにもつながると思いますのでメリットはたくさんあります。
そのため多くの企業はプライバシーポリシーを作成することで①まずはしっかりと法対応をする、②そして個人情報保護のための取り組みをアピールする、ということを行っていますね。
■ただし、プライバシーポリシーは最強に読みづらい!
では、実際に皆様はどれくらいプライバシーポリシーを読んでいますか?
ECで購入手続きをするとき、ホテルの予約を取るとき等など、いろいろな場面で「プライバシーポリシーを確認の上、確定ボタンを押してください」というようなメッセージを見ていると思います。
ぶっちゃけ、すっ飛ばしていませんか???笑
恥ずかしながら、私はすっ飛ばし読みしております。笑笑
もちろん、私もプライバシーポリシーに書かれている内容の確認の必要性、そしてきちんと確認することが自分のためになることを重々理解しております。
ですが、びっしーーーりと文字で埋められた長文のプライバシーポリシー、そして少しお堅い言葉で記載されたプライバシーポリシー、読む気失せますよね。その気持ちもすごくわかります。
一方で我々はプライバシーポリシーを作成するご支援もしておりますので、作成するためにたくさんの苦労があることも、プライバシーポリシーを確認してもらう(=顧客から同意を得る)ために様々な工夫をされていることも知っています。
できることなら!
いやこれについてはもう本当に、読んでいただきたい(自分のことを棚に上げて)です!!!笑
この件については、正直、企業側としては生活者に対して説明責任を果たしています。そして、「確認した上で個人情報に同意します」と生活者は企業に対し意思表明をしているにも関わらず、思っていたのと違ったという理由で企業にクレームを出しても、企業側としては
「あなた同意してるじゃないか…ちゃんと読んでくれや……」の一言に尽きるのです。。
■プライバシーポリシーの作成は最低限対応でしかない
とはいえ、企業のプライバシー対応を担当していますという方でも、実際に生活の中でプライバシーポリシーを細かく確認していますという人は少ないと思います。「プライバシーポリシーは読みづらい」という実感値、おそらくほとんどの方がお持ちですよね。
ですので、私は“プライバシーポリシーを整備すること”は企業として、あくまでも最低限の対応でしかないと思っています。
法対応としてはこれで十分でしょう、ですが本当にこれが生活者(顧客)のためになっているのか、はまだまだ検討の余地のある領域です。少なくとも私は、プライバシーポリシーや利用規約に限らず“説明をすること”は、もっとおもてなしの精神が必要だと考えています。
例えば最近ではプライバシーポリシーの整備だけでなく、“データ憲章”を作成しイラストを用いて生活者が理解しやすいコンテンツを用意するという取り組みも増えてきました。
代表的なのはdocomo社やリクルート社の取り組みですね。
このようなプライバシーポリシーの補足的なコンテンツを用意するのも一つの方法だと思いますし、他にも「申し込みの前に、最低限これだけは確認してほしい!」といったメッセージでいくつかポイントに当たる内容を提示する方法等もあると思います。
これは企業のサービス内容や、コミュニケーションの在り方によって最適な方法は異なってくると思いますので、データ憲章はあくまでも一例です。
改正法対応で一段落ではなく、次はこのようにどうしたら生活者のためになるか、おもてなしのコミュニケーション方法を考えることに取り組んでみてはいかがでしょうか??
■最後に
弊社ではプライバシー対応に取り組むこと、それはすなわち企業のブランド価値を向上させることに繋がるというお話をこれまでもさせていただいてきました。
それは最低限の対応だけでなく、いかに“生活者の目線に立った対応を行うか”ということであると考えています。これもプライバシー対応の“攻め”の内容ですよね。
その一つの例として今回は“個人情報の取扱いについて、生活者が情報を受け取りやすい方法はないか”を挙げさせていただきました。
生活者の目線で考えたとき、自身の企業の個人情報の取扱いに関する公表は、一方的なコミュニケーションでないか等々、ぜひ今一度考え直してみてはいかがでしょうか。
よろしければ弊社にも、皆様の企業に合った最適なコミュニケーション方法の検討をお手伝いさせてくださいね。
ご相談お待ちしております。お気軽にお問い合わせください!
WRITTEN BY: BICP DATA 菊川眞衣